賃料収入につながる高い利便性
住んでいる家の資産価値というのは、高く売れるだけではなく、高く貸せるという視点が必要です。その家に住まいに住まなくなったら、売却せずに持ち続けて、賃貸に出すことで、家賃収入が得られるからです。そこでマンションPERを見ていく必要があります。マンションPERというのは、住宅価格がその家から得られる家賃収入の何年分に相当するかを数値化したものです。数値がちいさいほど短い期間で元が取れることを意味します。つまり、収益性が高い家ということです。都心での調査で、上位に来るのは利便性の高いエリアです。たとえば銀座や神谷町、淡路町のような都心の中心で利便性が高く、商業も業務も発達している駅が上位に来ています。このへんは賃料は20万後半から30万円前後で、マンション価格は6000万を超えますが、都心としては飛び抜けて高いわけではありません。都心にはもっと高い賃貸マンションがありますが、物件の価格も高くなってしまうため、価格に対する収益性という面ではそれほど良好というわけではありません。一方で、幡ヶ谷、巣鴨、馬喰町、豊洲といった、都心の中ではやや中心から離れたエリアの駅も上位に入っています。交通利便性はとても高く、賃料は20万円台、マンション価格は5000万円前後と都心の中では比較的低めになっています。賃貸の賃料は、価格以上に利便性に左右されます。物件の価格が低めなエリアであっても、利便性の高い街は収益性が良好なのです。都心14区の中で、江東区や大田区は、賃料が20万円を切る駅も多くなりますが、PERが20を切り高い収益性を期待することができる駅もあるようです。都心であれば収益性は高いといえます。